11冊読みました。
今月の1冊は、百田尚樹の、野良犬の値段。
テーマというより、読み物として面白かったです。
あっけないほどに
少なくとも、日本ではある程度正確な記録が残っている範囲内であっけないほどに今までの慣例というか、常識が変化したことが2回ある。
ひとつは、明治維新で、もうひとつは太平洋戦争の終結だ。
政治家はイメージしやすい、幕末における維新の立役者を自分に重ねようとする。
武士のヒエラルキーは既に大きく変化していたが、少なくとも幕府が無くなることを多くの人は想像していなかったし、結局は平等を語る新たな権力抗争の勝者の座を求めるだけの変革だったと言えないことも無い。
実際のところ、欧米列強に植民地化されないように起きた革命と捉えている教科書があるのかしらと思ってしまう。
同様に外力により、変化せざる得ない状況となったのが、太平洋戦争の敗北だ。
結果的に核兵器という切り札を実戦投入できることを世界にアピールできた国が、世界の実質的な覇権を持つという、揺るぎない歴史的事実と、理想的な敗戦国の制御のための実験台になったのが日本なのかも知れない。
日本の国家運営は中央集権だ。
というか、東京、首都圏という巨大な城下町で経済と政治を運営している。
若者が、地方を離れて大都市に集中するのは、より良い魅力的な環境を求める人間の本能であり、地方を魅力的にするためには、中央集権を破壊するしかない。
生物の本能には完全平和が実現することなどありえなく、結局人は短い人生を慎ましく終えることを望む。
今回の地方の首長選挙は、メンツを背負った出来レース公認候補が勝てるのかということに尽きるのだけれど、地方選挙とは言え、自民党以外の支持を得て戦おうとする対立候補者は弱小豪族が藁にもすがる思いで他党に応援を求めたのか、政治的に目指すところが同じだから連携したのか、ハッキリしない。
正直なところ、若い対立候補が勝つだろうと予想していたが、他の党との連携が自民王国での選挙でどう働くか考えが及ばないのならば、首長に相応しいとは言えない。