美しい日本語

仕事でマニュアルのメンテナンス作業をした。
以前に某IT大手ベンダーでドキュメント作成をした時には、同一のものを指す場合は完全一致表現が絶対だった。
例えばミケと言う猫がいる。と書いたら、ドキュメントとしては、まず、ミケが正しいのか、他の書き方、例えば三毛が正しいのではないかの確認を行い、続いてドキュメント内での表現がミケで統一されているかがチェックされる。
これは、ドキュメントとしての内容の評価の前に、正しい理解をするためには絶対に必要なことだ。
仮に、ミケと書かれている箇所と三毛と書かれている箇所が存在した場合に、ミケと三毛は同一のものを指すのか、仮に同一である場合にはこのドキュメントには誤記があることになるし、異なるものを指す場合には冗長なドキュメントとなり、どちらも不合格だ。
だが、数百枚もあるようなドキュメントを作る場合、文言の統一と言うのはなかなかに困難な作業で、一箇所でも不整合があると、全てにおいて整合性があるのかを検証しなければいけないので、最終レビューの前のダブルチェック、トリプルチェックは当然の作業だった。
なんて面倒なのだろうと思われる方も多いと思うが、文言が統一されていないドキュメントは頭の中で同一性の検証を行ったうえで理解しなければいけない。
文言が異なっていても同じものを指すだろうと解釈することによって、不具合が生じることもある。
統一された文言と正しい表現で記述されたものは、美しい日本語だなと思うのである。
IT企業に仕事を依頼した時には、このあたりに注目すると良い。
出演者が魔神に変身するCMをしている大手ITなど、今ではどんなドキュメントを作るのだろう。