米余り

国内での米余りが深刻な状況らしい。
余剰米に対して、作付面積の削減、いわゆる減反が進んでいないようだ。
水田で米を作らなくなるには、代わりのものを作らせなくてはいけない。
だが、補助金などを考えたときに米以上に魅力的なめぼしい作物がないから、転作が進まないのだろう。
家畜の飼料がほとんど輸入で賄われている状況なのだから、国産の飼料を使うことができれば、食料自給率は向上する。
だが、家畜用飼料を作っても国内の農家は生きていくことが難しいのだろう。
家畜用飼料が食用米よりも儲かるなら、農家はこぞって食用米の作付けから撤退する。
自家消費の米だけ作り、主食としての米が不足、結局輸入に頼ることになり、却って自給率が低下することになるかも知れない。
江戸時代とかには、米が取れなければ人はその分だけ死んだ。
動物性のタンパク質の十分な摂取などはそこそこに困難だったと思われる。
人口の増加には安定的な食料の供給が不可欠と考えて、安定的な食料自給を図った過去の人達にすれば、食料自給率と日本の人口の減少だけを見れば、日本人は痩せ細って栄養状態も悪いのだろうと思うかも知れない。
人口が増えないのは、社会的な理由で潜在的に飢餓に対しての不安があるからなのかも知れない。
子供を育てるのにお金が掛かり過ぎて、更に夫婦と子供だけという世帯構成で出生率など上がるわけがない。
苦労をかけて育ててもらい、ほとんど不自由なく大人になった世代が、親たちの面倒を見ることもなく、自分たちがわざわざ苦労して子供を育ててその子らに助けて貰えることが無いのは、自分たちで分かっているのだから、子供なんて要らないと思うのは仕方無いだろう。