オキアミ加工

先日の釣行でコマセカゴに詰めるアミエビと間違えてオキアミを購入してしまった。
サビキ釣りのコマセとしてどちらも使うが、イメージとしてはオキアミは船からの大物狙いでアミエビは陸っぱりで使うもの。
釣行前夜に解凍して、ようやく間違ったものを買ってきていた事に気づいた。
しかも、マキエ用に購入したので、2キロのブロック。
それほど使う機会は無いが、定番とも言える保存餌用にハード加工をすることにした。
水分を抜くことに気をつけてはいたが、大きな勘違いをしていた。
オキアミには自己を溶解してしまう酵素が多く含まれている。
そのために、解凍して時間が経つとオキアミは先ず頭部から黒変し、最終的には全体が黒変、溶解して凄まじい匂いを発するようになる。
なので、解凍後は大まかに水分を切ったら速やかにアルコールなりミリンなりに浸して酵素による分解を抑止するのが正解だ。
YouTubeではミリンを使うのが定番だが、これはミリンのアルコールによる腐敗抑止と含まれる糖類による浸透圧の差でオキアミの体内の水分をすみやかに抜いてアルコールを染み込ませることが目的だが、正直なところこの部分は料理酒に砂糖を加えたものでも十分なのではないかと思う。
それぞれの工程の目的が達成できれば、定番と言われるものが最善手とは限らない。
話を戻すと、解凍後の脱水に時間をかけてしまうと、酵素の働きで黒変が進んでしまう。
ここからは想像だが、分解を進めた酵素はオキアミ内で増加するのではないか。
つまり、酵素が活性化し始めてからアルコール漬け工程に至るまでの時間は解凍後の経過時間が短ければ短いほど良い。
つまり、解凍を冷蔵庫でゆっくりして、酵素が働いてしまうくらいなら、速やかにぬるま湯で解凍してしまった方がよほど黒変防止になるし、その後の脱水時間もチャッチャッと水を切るくらいでアルコール漬けしてしまう方が良いだろう。
となると、大量のオキアミを一度に加工するのは作業として相応しくない。
解凍までの時間が、ブロックの表面部のものと、内部のものによって大きく差が出るからだ。
今回の加工では大量に黒変オキアミができてしまった。
冷凍庫に保存する量としては多すぎたので、結果的には破棄がかなり多くても問題はないのだが、貧乏性の自分はもったいなかったなとついつい考えてしまう。
黒変防止のためにまずは水洗いするというのもよくあるが、あれはあまり効果は無いだろう。
確かに汚れを落とすのには良いだろうが、体内に含まれる酵素のうち体外に漏れ出た分を洗い流すというのは、効果はゼロではないとしても、黒変が劇的に抑止できるとは思えない。
あくまで注意すべきは体内に含まれる酵素をいかに活性化させないかだ。
事前脱水時間に対して、アルコール漬けの時間は正直短いよりは長い方が良いだろう。
とは言えあれだけの大きさしかないものなのだから、48時間とか漬け込んだものが8時間漬け込んだものよりもはるかに良いとはなかなかに考えにくい。
とりあえず、大量にできてしまったb品の食わせオキアミ。処分にはかなりの時間がかかりそうだ。
投げても飛ばないようなら、シロギス釣りでも使うことにすれば良いか。
それと、カセでの釣りにも使うのが良いだろう。