延期の果てに

東京オリンピックの一年以内の延期が決定した。
ほとんどの誰もがコロナウイルスがあと数ヶ月で収束し、今度の冬に武漢で中国人が野生動物を食べなければ悪夢の再来はないと思っているのでは無いだろうか。
仮に気温の上昇でコロナウイルスの活性が下がるとすれば、北半球での流行は減少するだろう。
しかし、南半球はこれから冬になっていく。
さらに、コロナウイルスの感染のほとんどが室内などの密閉空間でおきたのだとすれば、一体気温が何度まで上昇すれば安全だと言うのだ。
来年の今頃にコロナウイルスが収束せず、くすぶっていたら再延期するのか、それとも中止するのか。
あらゆる可能性を示した上で、結論を出しているわけではない。
もちろん内部で検討してはいるだろうが、中止を選択肢として上げることができない雰囲気である可能性は低くない。
例えば、カラスが異常発生していて駆除に半年要するから今年のオリンピック開催は難しいとかそういう話では無い。
効果的な治療が見つからない、伝染性のある病気が世界中で50万人に感染していて、これから収束するかどうかわからない。
今より酷くなっているかも知れないし、収束しているかも知れない。
しかも収束するとしても、それがいつか見込みも立っていない。
世の中、一年後にはオリンピックが開催されることしか考えていない。
いつに延期するかが問題でしかもその選定理由が開催場所だとか、他の競技大会との兼ね合いだとか、維持費だとかで決めている。
SF小説の世界では無いが、世界の人々が最後に交流できたのは、2020年の春が最後となったなんてことが起きないとも限らない。