何でクーラーボックスを分解したのか?
改造するために決まってるでしょ。
そもそも、釣りをする人ならばクーラーボックスは持っていて当然なんだけど、持ってるクーラーボックスは強度が無くて、座ることができない。
そして、釣り用のクーラーボックスは17リットルと25リットルの2種類を持っていて、普段は17リットルの方を持ち歩いている。
キスとかハゼとかそんな普段のおかずを釣るためのもの。
もちろん、これでサイズは十分なのだけど、カワハギ釣りの時には25リットルの方を持っていく。
でも、実はここまで大きくなくても良くて、カワハギ釣りの場合は座れる強度がある方が嬉しい。
17リットルのクーラーボックスは、釣りに行ったときにそれまで持ち歩いていた25リットルのクーラーボックスを忘れて、釣具屋で餌を買うついでに購入したもの。
両方とも安いものなので、すぐに冷えなくなる。
サンカのマスタークールというクーラーボックスの評判が良い。
値段もお値打ちで、17リットルのもので3000円ほど。
安いクーラーボックスを購入し、断熱性能を高めるという記事を見つけて、やることに決めた。
全てハメコミでネジなどは使われていない。
断熱材は発泡スチロール。
廉価モデルのクーラーボックスはみんなこれ。
内箱と外箱の間に発泡スチロールの箱が挟まっている。
厚さ2センチほどの発泡スチロールなので、それほどの断熱効果は無いだろうが、思ったよりはしっかりしたものが入っていた。
蓋の中央部に持ち手がないタイプなので、その部分の発泡スチロールも薄くなっていない。
蓋の部分は完全遮光と熱の反射を期待してアルミテープを貼った。
もちろん隙間なく貼れば良いのだが、座れる強度を出すために、蓋の裏はフラットではないため、発泡スチロールもその補強材のために溝がついていて隙間なく張り詰めるのは難しい。
まして、断熱材ではないのだから隙間があっても大きな問題ではないと判断。
肝心なのは本体部分。
ネットで言うほどには隙間はなさそうな感じ。
とりあえず薄手のアルミシートを貼ることにする。
ここでアルミの反射面はどちらに向けるべきなのか。
冷気を逃さないというが、密閉性という点では正解だが、あたかも冷却エネルギーが外部に漏れるような書き方をしているものもあり、それは間違い。
熱は高い方から低い方へエネルギーが流れるのだから、エネルギーの流入を減らすことが、保冷につながる。
熱エネルギーを反射するためにアルミを使うのだから、当然アルミは外からの熱を反射するようにしないといけない。
熱は伝導、輻射、対流で高い方から低い方にエネルギーが伝わる。
アルミは金属なので、当然熱伝導率が高い。
つまり、クーラーボックスの外枠と断熱材である発泡スチロールの隙間を埋めるようにアルミが存在するようになると、熱の伝導率の低い空気の層の断熱効果が得られなくなる。
アルミに期待するのは、輻射熱の反射効果だ。
アウトドアで使用する場合には輻射熱に加えて、太陽光をいかに内部に遠い位置で遮断するかが肝心なのはわかるだろう。
断熱材としての発泡スチロールの熱の透過を考えた場合、光を通してしまうと、クーラーボックスの内箱に直接熱エネルギーが伝わってしまう。
特に本体の色が薄く、厚みが無ければ、太陽光は内箱を直接温めることになる。
もちろん外箱が白であれば、それ自体が光を反射するので、黒いものよりも、箱自体の温度は抑えられる。
つまり、伝導による温度上昇が少なくなる。
断熱材自体の交換を行わないのならば、発泡スチロールの断熱材の外面のみにアルミテープかアルミシートを貼るのがもっとも手軽な性能向上になるだろう。
内箱側にもアルミシートを貼ってもかまわないが、光を遮断できるようになれば、熱伝導率の低い空気層を空気よりも熱伝導率の高いものに置き換えるのは効果がないと思える。
よほど隙間が大きい場合は、内部の熱対流を減らすために空気の流動を減らす目的で厚めの断熱材を追加するのが良いだろう。
隙間による対流での熱エネルギーの移動と対流を抑えて、空気よりも熱伝導率の高いものを配置するのがどちらが良いのかは悩ましいところだ。
断熱材の厚みが数十%増えるのならば、空間の熱対流を減らすのは効果があるだろうが、条件により温度上昇は変わるだろう。
クーラーボックスの改造なんて、物好きの、やることなんだから思ったようにやればいい。