円安が進んでいると新聞に載っていた。
1ドル115円台。
輸出企業にとっては、ドル建てで販売したもののドル価格が同じでも手にできる円が増えるので、利益率があがる。
一方で原材料などを輸入する企業では、原価率が上がり利益率が下がる。
日本全体で考えれば、輸出金額が輸入金額よりも多いのだから、円安の方が円建てでの金額がより膨らむので、円安を抑える動きは出にくい。
原油価格の高騰が騒がれているが、こちらも円安が進めば、調達費用が増えるのでさらに小売価格が高くなる。
対ドルでの固定相場がなくなったのは、1973年。
まだ50年にも満たない歴史しかない。
1ドル360円という記憶が残る世代にすれば、115円台が円安と言われても十分に円高だとも言えるだろう。
よく、国際的な物価指数の比較でマクドナルドのビッグマックの円換算価格が使われたりする。
これだけで比較するのはとても乱暴な話なのだけれど、日本よりも高い値段となる国の中には、経済的に日本よりも弱いと考えられる国もある。
万が一、1ドル360円時代に戻れば、ビッグマックの価格はどうなるか?
輸入材料コストは3倍近くになるが、おそらくインフレが進み、人件費はもっと上がっているだろう。
そうなった時に、世界一ビッグマックの値段が高い国になったとしても、それはインフレによる物価指数の高騰であり、国が豊かになったわけではない。
昔、海外製品が高価で高品質で、国内製品は安価で低品質というイメージがあった。
中国製は低品質だという感覚は中国の若者の中では無くなってきているという。
バブル崩壊が全ての根源だとはすでに言い切れない。
経済的に世界一になるにしても、このまま日本経済が疲弊しても日本の貧富の差はもっと大きくなる。