米の食料自給率は100%と言われている。
これは、現在の国内での米の消費量に対する生産量だけで表した数値にすぎない。
例えば、海外から主食となりうる穀物である麦、芋、豆が輸入できなくなった場合に現在の米の生産量で国内重要を賄うことはできるのか?
おそらく、答えはノー。
さらに、食料だけでなくあらゆる物資が輸入できない状況になったらどうなるか。
エンジンで稼働する農機は使えなくなるので、ほとんど手作業による農業になり、現在の農業従事者では増産はおろか生産量も著しく減るだろう。
また、肥料や農薬といったものも使えるものが国内で作ることができるものに限られてくる。
仮に、産業シフトが強制されて農業従事者がカバーできたとしても、面積あたりの収量はかなり少なくなると思われる。
となると、米を主食とする食料自給率は最悪の場合50%を下回る可能性もある。
その分を肥料も少なく工数も少なくてすむ穀物が第二の主食になるだろう。
戦前、戦時中の耕作面積と従事者が確保できたとして、食っていける国民は戦後の人数である7200万人がせいぜいとも考えられる。
となると、主食ベースで今の日本人の5000万人分のカロリーが不足する。
それに加えて、タンパク源の自給率も現在のまやかしの自給率より低下するのだから、国民がみな痩せ細り、玄米に芋や雑穀を混ぜたものを食べるしかなくなるのか。
そうなったときに、日本が軍事力を使って他国から資源を得ようとすることをどれだけの国民が反対できるだろうか。