ベイトリールを使う上で避けて通れないのがバックラッシュ。
発生原因は、糸の実際の放出量よりもスプールからの糸の放出量が上回ることで、糸が出ようとしているにも関わらずスプールが糸を巻き取ってしまい糸の放出が緊急停止して、スプール上で糸が絡んでしまうためだ。
防止方法としては、スプールの回転を抑えるために糸の放出速度を抑えるブレーキを強めるのが最も効果が大きい。
それと、スプールへの糸巻き量を減らすという方法がある。
何故糸巻き量を減らすとバックラッシュしにくくなるのか。
キャストされたオモリの速度が同じならば、糸巻き量の少ないスプールの方が回転速度が速くなる。
ベイトリールのブレーキはスプールの回転速度が速いほど強く効くので、バックラッシュしにくくなるわけだ。
糸を含むスプールの重量もベイトリールのキャストには影響が大きい。
糸の重さなんて大したことはないと思うかも知れないが、実釣しながらのスプールの重量の増加は馬鹿にならないと考えている。
今どきの釣りでは糸はPEラインと呼ばれる細い繊維を編んだものを使うことが多い。
極端に言えば、裁縫糸の丈夫なもので釣りをしていると考えれば良い。
当然繊維なので、水に浸かれば水を含む。
ナイロンやフロロカーボンラインでもスプールに巻かれた状態では水を吸った状態にはなるが、PEの比ではない。
ベイトリールでは、スプールが速度ゼロの状態から、キャスト直後に一気にトップスピードまで回転速度が上がる。
この時のエネルギーはスプールの質量が大きいほど、回転速度を高められないのは想像できるだろう。
染み込んだ水の重さも含めると糸巻き量が少いほうがスプールの初速が速くなるので、ブレーキもより強く働いてバックラッシュしにくくなるわけだ。
つまり、糸巻き量が少ないスプールは糸巻き量が多いスプールよりもブレーキが強く働くし、スプール自体が軽いのでブレーキもよく効く。
糸巻き量の多いスプールよりも飛距離が出にくくなっているということだ。