たまに、設計書は不要なのでその分の開発費を下げてくれと言うクライアントがいる。
開発側から乱暴な言い方をすれば、設計書が無いのだから、システムがどのような動きをしても構わないということだ。
もちろん打合せ時にはこういう仕様で作って欲しいというリクエストはあるが、エラー動作や使用上の制限についてまで口頭の打合せでは決めきれない部分も多い。
設計書を作らないということは、打合せで決めたことだけを実装する。
打合せで決まったこと以外のテストはやらない。
決めたこと以外について、どんな動きをしようが問題ないという暗黙の合意というか覚悟が無ければ設計書が不要などとは言ってはいけないし、決めたことが何なのか極めて曖昧なのだからどこからが不具合なのかはっきりしない。
つまり、品質が何に基づくものか基準が無いのだから、やれ瑕疵だとか騒がれても何それ?となる。
仮にプログラムが異常終了したとしても、それが正常な使い方をしていない結果ならば、あくまでも使い方の問題であり、そんな使い方をされても終了せずにエラーメッセージを出してほしいのならそれを仕様として決めなければいけない。
それと、勝手にいくら位ですよねと見積金額を言ってくるクライアントもいる。
とてもその金額では受けられないと考えた場合にその仕事は受けないことになる。
具体的に発注したい金額を提示するのであればその金額で受けてくれるベンダーがいるということなのだと考えて、じゃあそちらに仕事を依頼してください。となる。
初期開発で見積の半値で受けさせたあげく、保守契約もせず、何年も経って改修を依頼してくるクライアントがいたりする。
そのクライアント達は開発費を低減できたと考えているのかも知れないが、結局初期開発の状態のシステムからの改修は他のベンダーにかなり高い金額で発注せざるを得なくなるのがオチだ。