関税

トランプが輸入品に対する関税を高くしたことで、株式市場は大暴落だ。
そもそも、何故関税があるのかということを考えればトランプのことを一概に悪く言うこともできない。
国内でも生産しているものに対して、輸入品の価格が低ければ、国内での販売は輸入品が増えてしまい、価格競争力の無い国内生産品が無くなってしまうかも知れない。
国民の生活での必要度が低いものであったり、生産者への影響が少ないものに対しては国は輸入品に対して高い関税は設定しない。
だが、そうでないものに対しては輸入品に対する価格競争力を持たせるために関税を高くして国内の流通価格が高くなるように誘導する。
国家運営としてはけして間違った政策ではない。
かつての日本も農作物に対して護衛船団と言われるような関税政策を行って農業を保護していた。
今は世界が市場でさまざまな取引が行われる時代。
自国産業保護の為に高い関税を設定することは諸刃の刃でもある。
国内生産品が売れれば良いが、関税が上乗せされても輸入品を国民が選択すると、インフレが大きく進む。
輸入品を原材料として国内生産している製品も高くなる。
国内生産品が流通することで国内のインフレが緩くなることはとても考えにくい。
米国が失策するのは構わないがと言えないところが世界経済の怖いところだ。
かつて起きた世界大戦は何れも経済破綻が大きな要因となっている。
自国経済を回復させるために手段を選ばなかった結果が大戦のトリガだ。
トランプに至っては、資源確保の為に他国支配の領土であるグリーンランドを米国が買収したいと言っている。
この提案は極めて原始的で現代に於いては不合理な提案だ。
この分だと、地の惑星で貴重な資源が見つかったら屁理屈を捏ねて、そこは米国のものだと言い出しかねない。
宇宙空間に衛星を配備して、アメリカ本土上空を通過するたびに関税を支払えなんてことも言い出すかもしれない。
まるで、昔話に出てくる強欲で愚かな王様じゃないか。
物語なら、そんな王様は追放されて平和が訪れるのだけれど、果たして米国国民はどこまで利己的な人が実権を握っているのだろう。