優秀な人材確保

ニュースでNASAの職員が大量退職することに対して、日本のJAXAや大学の研究機関で雇用することはできないかというコメントがあがり、多くの意見が見られた。

全コメントを読んだわけではないのだが、日本の給与水準で優秀な人材を雇い入れることなどできはしないという意見が多く見られた。

たが、これには少し疑問がある。

例えば、日本企業でもCEOが外国人であるケースは少なくない。

彼らの報酬が日本人基準のものかといえばそうではない。

普通の日本人である私からすれば法外な報酬を受け取っていると感じる。

もちろん利益追求が命題である一般企業と公的機関とも言えるNASAやJAXAを報酬金額で比べるのは乱暴だが、退職する職員全員を雇用するわけではなきのたから、日本の宇宙開発が大きく前進できるような人材確保は夢ではない。

コメントで目立ったのが守秘義務に抵触するから、JAXAで雇い入れても重要な技術が手に入る訳では無いという意見と、資金が潤沢な中国に引き抜かれると言った意見だ。

後者の意見は、日本企業の電機系エンジニアが大量に中国に引き抜かれて、中国の家電メーカーが台頭し、日本の家電メーカーが日本市場からさえも駆逐された事実が頭の中にあるのかも知れない。

果たして、当時の日本企業から重要な技術の鍵を握るエンジニアが根こそぎ中国メーカーに引き抜かれたのだろうか。

そうではなく、コア技術を知るものに絞り込んで好待遇を提示したことは想像に難くない。

優秀な人材かどうかわからなくても、かき集めるだけかき集めて、後からふるいにかけるやり方は企業からすれば効率的だろう。

日本では従業員に対する解雇は厳しいと言われるが、政府は企業に対する解雇条件を緩くして人材の流動的活用などと考えていた。

マスコミも含めてどこの企業もこれは都合が良いので、法案提出されれば通ってしまう可能性もある。

これでは優秀な人材は育てるものではなく、調達するもので終わる。