地方創生

新聞に首都集中を緩和するために、地方の大学の定員を増加させるとあった。
国公立の定員が増えれば、私立大学ではなく国公立に進む人、専門学校ではなく私立大学に進む人と人員のシフトが起きる。
かと言って、地方の大学に進学するか?
魅力ある大学でなければ、定員割れになるだけだろう。
高校までを地元で過ごして、その後の人生を進学先の都会で過ごすという選択は仕方ない。
親からの束縛が減り、快適だった学生時代から何でわざわざ親元に戻る必要があるのだ。
心配しなくても、東京集中は問題ではなくなる。
地方の高齢化が進み、地方から東京に移動する対象となる学生自体が減少するからだ。
地方に残る老親は年金が減り、経済力が無くなる。
病気になっても誰もみてくれる親族はいない。
若者が減っているので、成婚率も低くなり、いずれは早期独居老人も増加する。
植物と同じ。
発芽後の双葉は、本葉のために光合成を行い、いずれ枯れていく。
本葉が双葉のために何かをすることは無い。
人間は社会性動物だと言うが、本能が強すぎて社会的な生活を構築することを許さない。
本能のまま生存することが当たり前。
植物はきちんとした苗にさえなれば、その後の環境が多少悪くてもきちんと成長し、花を咲かせ、実を生らせる。
発芽時から密生した植物は徒長し、僅かな風雨でも折れてしまい、なかなか良い実がならない。
実のならない植物はそれでも枯れてしまうまで、土壌の養分、水分を取り続ける。
やがて生命力の強い外来種がその後に増殖して、在来種を駆逐し、そのフィールドに新しいルールを作る。
地方でいくら良い苗を作ったところで、収穫は都会が丸取りする。
税制を大きく変えて、例えば扶養期間だった年数の間の地方税は100%本籍地に納付するとかしないと不公平だろう。
大学卒業後なら22年間、44歳までは地方税を全額出身地に納める。
地方では地元から出ていった者の税率を高く設定して、地元に残った者の税率を優遇する。
このままでは都会での生活は成り立たなくから、給与を高くするしかない。
44を過ぎたら、ようやく居住地に税金を納めるが、税金が下がるわけではない。
膨れ上がった住民を支える税収元が少ないのだから、下手をするとさらに税金が高くなるかも知れない。
そうなると、子供なんて作る余裕が無くなるので、ますます高齢化と人口減少が進む。
遠い未来に日本という国が日本人国家として機能しなくなる日が来たときに、数百年とかの流れで振り返ると、人口減少を防ぐ事ができるポイントが最後となるのがいつ頃かわかるのかもしれない。
3人以上の子供を育てたら、越えた人数に応じて老齢年金の原資に加算するとか色々政策はあると思う。
子供が欲しくてもできない人の気持ちを踏みにじるとか言う人も出てくくるだろうが、それとこれとは話が別だと思うのだけど。
実際に子供をひとり社会人になるまで育てた時の経済的負担は、扶養者がいない人が多少多く払う税金とはケタが違う。
未来を支える人間を増やさないなら、結局は滅びるか大きな後退をせざるを得ない。