機械設計だとかそんなものは全く不得手なのだが、リールのチューニングで樹脂でできた軸受をベアリングにすることで回転性能の向上を図るというのがある。
樹脂製軸受に金属シャフトが通った状態で、シャフトを回転させた時に、樹脂製軸受はシャフトの回転に合わせて同じ方向に回転するわけではない。
軸受とシャフトの間の摩擦係数により、回転抵抗がどれだけ起きるかが決まり、シャフトの回転性能が決まる。
樹脂製の軸受をベアリングにしたらどうなるのか。
ベアリングはグリスを脱脂してオイルを差すことでベアリング自体の回転抵抗を減らしましょうというのが定番。
だが、シャフトはベアリングの内径に対してほんの僅かながら細く、ベアリングの内輪とシャフトが全く同じ回転をするわけではないと思っている。
シャフトは空転しようとするが、内輪とシャフトの摩擦により、内輪も回転しようとする。
その回転をより滑らかにするためにベアリングをどれだけ抵抗無く回転させれば良いのかとなると、グリスを脱脂した効果というのはどれだけあるのだろう。
ベイトリールの場合、スプールが回転して糸が放出される。
糸が出る方向はスプールの回転軸に対して、直角に一方向なので、スプールシャフトは回転と同時に軸受に回転以外の力がかかる。
樹脂製の軸受よりも、金属ベアリングのほうが、軸受が変形する力に対する耐力は大きい。
軸受自体、真円に近い形状を維持できるほうが、シャフトの回転抵抗は均一化されるのでそちらのメリットもあるわけだ。
実際に樹脂製の軸受と金属ベアリングの軸受でどの程度回転に差が出るのかは実際に試してみないとわからない。
しかし、実際の使用では単なる回転運動でなく、一方向に圧力をかけながらの回転運動になる。
ベアリングの内輪とシャフト自体の摩擦係数もオイルやグリスで減らしつつ、変形により生じる抵抗が無視できるようになってどれだけ差が出るのかは実際に使ってみないとわからないってことだ。