centos7の後継ディストリビューションとして、alma Linuxが日本向けに良いという記事が流れている。
サポート体制が良いとか、MIRACLE Linuxと合流して日本ユーザーの声が届きやすいとか、色々書かれているが、個人的には安易に乗っかってはいけないと思っている。
そもそも、記事の提供元がMIRACLE Linuxの開発元であるサイバートラスト社。
アプリケーションレベルでのRHELとの互換性が高いと言うのがこれまた胡散臭い。
これが、シェルも含めたアプリケーション互換なのかは大いに問題になる。
微妙な違いがあるとかだと、カーネルパッケージの挙動も完全なコンパチなのか極めて怪しいし、もしも固有トラブルだった場合には目も当てられない。
本来centosの位置付けはRHELのオープンソース版であり、基本的なソースコードはRHELと同じであることが強みである。
RHEL上でのシステム開発のための環境として使うOSでなく、本番環境も含めてalma Linuxを使い、商用サポートも受けるのだと言うならば、almaを使えば良い。
そもそも、RHELのソースコードの利用がRHELユーザーに限られ、centos stream以外には正式な利用が認められない時点で、ソースコードの乖離が懸念されるので、RHELでの運用環境のプレ環境で使うことは冒険以外の何物でもない。
もちろん、centos streamはRHELの先行テスト版という位置付けなので、今までのリリースとは全く異なる。
だが、先行リリース後にRHELで全く同じコードのビルドがリリースされることになると予想されるのだから、アップデートのタイミングさえ間違えなければ、結局RHELのコンパチな無償版として利用可能なはずだ。
現在検索上位にヒットする記事にはIT詐欺師の匂いが強く漂う。