自分が社会人になった頃なので、令和5年の時点の、37年ほど前は従業員が早々に辞めてしまう会社は良くない会社だというイメージが強かった。
そんな会社ほど優秀な社員は早々に辞めて次のキャリアを目指すというのも、定説だった。
今となれば、それが正しい見方だったのか怪しいところがある。
本当は落ちこぼれて辞めてしまう従業員のほうが、多かったのではないかということだ。
今の世の中、人手不足と言いながら大企業ではシニア世代に早くリタイアしてほしいと考えている。
セカンドキャリア支援とかうまいことを言って、賃金の高い世代を細らせようと手をこまねいている。
そもそも、何でシニア世代の賃金が高いのか。
若い頃に高い賃金を支払わなかったツケだ。
一旦上げた賃金を下げることはかなり難しい。
貰ったお金での生活レベルに慣れてしまっているのだから、急に賃金を下げられてはたまったものじゃない。
政府も企業も雇用の流動性を高めようとしているという、乱暴な見方の記事が日経系のメディアに掲載されていた。
政府がそう考えているという理由は、退職金に対する税の優遇措置を見直そうとしているからだそうだ。
そうなると、企業は定年まで勤めるより早期退職したほうが得ですよと言いやすくなる。
しかし、政府にすれば税収が増えれば良いだけの話なので、早期退職しようがしまいが、トータルの税収が増えれば良いだけのこと。
そもそも、馬鹿みたいに高い累進課税を下げて企業に有利な税制にしたから、税収全体が下がったのではないだろうか。
国庫が寒いと税金を使った事業ができないし、寄付金という名目の賄賂も貰えないのだからね。
労働力の流動化は、高いに越したことはない。
ただし、それは若いから高い賃金は払えないとかそんな企業にばかり都合のよい話がなくなる前提だと思うのだけれど。