世知辛いのかまともになったのか

IT業界でない人も、もしかすると聞いたことがあるかもしれない。
Javaという言語がある。
これを使って作ったプログラムはJavaのライブラリという、プログラムの共通処理が詰め込まれたライブラリが存在する環境で動作する。
元々、新しい言語というのはライブラリも含めて誰でも使って良いフリーソフトとして提供されることが多い。
今では歴史のあるJavaだが、これを使って開発する人がいなければ世の中には普及しない。
オラクルはJavaのライブラリや開発キットを提供するベンダーの1つなのだが、商用利用する場合にはライブラリの使用ライセンスが必要になっている。
つまり、オラクルのJavaのライブラリを使って開発するなら金を払えということだ。
一方で無料で商用利用も可能なJavaのライブラリも存在し、こちらはopenJDKと呼ばれる。
どちらも動作は同じだが、商用ライセンスがあるものは、当然ながら不具合があった場合のサポートが行われる。
フリーソフトは対応されないかと言うと、サポートに時間がかかるがいずれ不具合対応はされる。
無料だったとは言え、それを提供するのに費用がかからない訳では無い。
つまり、コストをベンダーが負担していたことになる。
オラクルといえば、フリーソフトのデータベースであるMysqlを買収した。
こちらはまだフリーソフトとして提供されているが、買収当時はこれでMysqlは無料では使えなくなると騒がれた。
そんなの関係ないと思われるかも知れないが、Mysqlのシェアは高く、身近なところではCMSのデータベースによく使われているので、これが無料でなくなると、セキュリティに問題があっても最新にバージョンアップできないなんてことにもなりかねない。
お金をかけて作ったものを無料提供することがそもそも間違っているという考え方もできるので、オラクルの方針変更を世知辛いと言うのは早計かも知れないが、元々有志が手弁当で開発したものだけにそれに対して後から金を取るというのも何だかモヤッとする。