TVコマーシャルで、あなたのキャリアならば望みの仕事(採用)が得られますというのを見たことがあるだろう。
企業もリスキリングとか言い出してみたり、巷ではキャリアアップセミナーとかそんなのがあったりする。
何れも、働く人からすれば市場価値を高めるという一言に集約できるのだが、そもそも市場価値とは一体何なんだ。
企業が求める人物像に近ければ市場価値が高いということになるのだろうが、果たしてそれは本当に市場価値が高いと言えるのか。
あなたのスキルが日本の企業のどこにも興味を持たれなかったとしても、もしかすると海外企業ではあなたの市場価値を高く評価するかも知れない。
何だかこんなことを書いていると、所詮日本の企業人は農家が出荷する野菜と同じだなと思う。
消費者である採用企業が求める人物像とは、形の整ったきれいな野菜であり、個性が強く形が不細工なものではない。
やはり、お金を出して買うのなら、見栄えの良い、つまりカタログ値の高いものが欲しいのだ。
そして、市場に出回る野菜たちも、それの仲買人であるエージェント会社も凄い可能性があるかも知れない野菜ではなく、デパートで扱ってもらえるような野菜に市場価値を見出しているのだ。
だが、これが一概に悪いとは言えない。
ほとんどの企業はありふれた事業をそつなくこなす必要があり、日本中の企業ができもしない新しい事業しか目指さなくなったら、それこそ経済は回らなくなる。
だから、国家というのは将来性のある事業に金を払わなければいけない。
そんなふうに考えると、半導体工場に多額の補助金を出すのは理にかなっているような、そうでないような、何だかフワッとした政策だな。