労働生産性向上が伴わない賃上げ

主題の賃上げを悪い賃上げとするニュース記事を読んだ。
日本の政策で賃上げと物価上昇をセットで行おうとすることへの批判の意味が強いのだとは思うが、労働生産性向上が伴わない賃上げを認めないなら、物価がどれだけ上昇しても、生産性の向上、つまりgdpの向上に寄与しない労働対価についてはそれを上げることは認めるべきではないということになる。
そうなると、まずは公務員の賃上げは認められないし、輸入品の値上がりなども認められない。
需要と供給バランスによる価格変動は生産性とは全く連動しないのだから、値段の上がったモノは生産性が向上したもの、つまり供給過多になったものであるべきだということか。
だが、そんなアホな理屈がとおるほど、世界は甘くない。
人間の生産性向上など微々たるものでしかないので、仮にAIによる生産性向上が認められたとしても、それはAIを作った企業のごく一部の開発に携わった人の賃金が数千倍、数万倍になることのみが正義でそうでないものは悪となる。
そんな記事を書いた当人など、全く生産性向上には寄与していないわけだから駆け出しの頃の原稿料から一円たりとも引き上げられるべきではないことになる。
そんなことになったら、正規の経済活動は守るに値しなくなり、生産せずに奪うだけで良いと考えるヒトも増えるだろう。