人生100年時代というようになって、どのくらい経過したろうか。
今のところ日本人の平均寿命が100歳を超えたという話は聞かないし、寿命は確かに長くなってきているけれど、65年で20年寿命が延びただけだ。
人生100年時代と言うためには、平均寿命が今より20年くらい長くならないとその実感はないだろう。
つまり、現在35歳よりも若い世代が、今までと同じ寿命の伸び率で進めば、彼らが100歳になった時に、同級生の半分ほどが生きているような状態になって初めて人生100年時代と言っても間違いでは無いだろう。
何故寿命は延びたのか、不治の病で死ぬことが少なくなったことが最大の理由だろう。
とりわけ、65年前の日本人より身体が頑丈になったとか、健康になったとかそんなことは考えにくい。
現代の死因第一位はがんだ。
がん自体は早期であれば完治する病気なので、今後65年で寿命が20年延びるとすれば、癌に侵された臓器を人工のものに置き換える治療方法がスタンダードで、誰もがその治療を受けられるようになっていることが、条件になる。
だが、その頃には今よりもっと健康寿命が重視され、身体のあちこちに痛みを抱えて自分のことができないような老人が人口の1/3くらいを占めた世界になっているかも。