備蓄米放出

2023年は米が不作で米の市場価格が高くなった。
2024年は平年並みの収獲で米の価格は落ち着く予想だった。
だが、米の市場価格は安くなるどころか、さらなる高騰となった。
2023年の不作の時に政府は備蓄米を放出して米価を安定させることをしなかった。
備蓄米は凶作により、市場への米の流通量が減少した時に放出するものであり、価格安定のために放出はしないと言うのがその理由だ。
だが、2025年の今になって備蓄米放出を決定した。
流通するコメの量を増加させて、市場価格を低下させるための放出だという。
これに対して、噛みつく人がいる。
自由経済に介入するなとか、備蓄米の蓄積量は決まっているのだから、放出した分を速やかに、補填する必要かあるのだから一時的に価格が、下がったとしても下げ幅も、効果も限定的だとかそういう類いの話だ。
コメの凶作で価格が上がったときの首相と今の首相が別の人間なのだから、政策が異なるのは当たり前の話。
政権交代が起きたわけではないのだから、政策転換が起きるのは納得できないという人が一定数いるのは分かるし、自民党だから投票するという人にすれば、裏切られたという気持ちも働くのだろう。
コメの値段が高くなると、農家が儲けているという人と、JAが儲けているという人がいる。
政府は稼げる農業を目指している。
残念なことに、日本人向けの農業をする限り、稼げる農業などあり得ないと官僚達は分かっていて、海外への輸出額が増えれば良いと考えている節もあるのではないだろうか。
農業が食料政策に縛られること無く、静かに国内供給を減らしていくような改革は近いうちに起こり得るかも知れない。