日本人に染み付いた意識

かくいう私もその一人なのだが、何故日本人は主食である米の価格が倍近くになっても怒らないのだろうか。
日本では食生活が豊かなので、米が不足しても他に食べるものがあるとでも言うのだろうか。
日本人は国家への帰属意識が極めて薄い。
モラルがあり、行動規範が優れていることと国家への帰属意識が高いことは一致しない。
米騒動で一般市民が米を蓄えている米倉を襲ったことは、歴史にも記されている。
現代では情報が多く流れているとはいえ、どこに米がストックされているのかもわからないし、米騒動を起こすことなんて不可能だろう。
だがもしもだ、利益を得るために米が大量に備蓄されている倉庫が判明したらどうだろう。
一般市民はその倉庫を襲うだろうか?
答えは多分NOだ。
せいぜい、警察か役所に米が大量に蓄えられている。米不足だと言うのにどうなっているんだと苦情を言うくらいだろう。
倉庫を襲って米を強奪しようとするのは、一儲けを企む悪党くらいなもので、警察も役所も違法性の無い米の備蓄に何もしてくれないのは確実だ。
かつて、戦争の時には物資供出と称して家にある金属類を強奪することはあっても、闇市の資材を徴収することなどしない。
国民からは、容赦なく金も物も奪うのに、奪われた国民は文句を言わない。
江戸時代という数百年にわたるカースト制度の中で大多数が搾取される側として生きてきたことが骨の髄まで染み込んだせいなのかも知れない。