釣った魚を美味しく食べるためには、持ち帰り方にも少しはこだわらないといけない。
クーラーボックスに氷を入れてそこに入れてくれば大丈夫だとか、帰る直前まで海水を汲んだバケツに入れて最後にクーラーボックスで持ち帰るなんて人も多いだろうか。
魚の身を冷やすのに潮氷を使うことは、ネットで検索すればすぐに見つかるのだけれど釣れるか釣れないか分からない釣行に氷を準備するのは面倒だし荷物が重くなる。
正直食べ比べでもしない限り、キチンと処理して持ち帰った魚とそうでないものの違いは解らない。
魚は水中から上がると暴れる。
苦しいのだから当然だ。
暴れると体温は上がるし、血も身に回る。
身に含まれる旨味成分も減少する。
血抜きをすれば良い、エラを切るんだよという人もいるが、何とも科学的ではない。
血を抜くためにバケツの中でエラを切った魚をフリフリするのは魚を釣る時間が減るだけだ。
要は、魚の動きを止めて暴れなくすれば良い。
ベストは心臓が動いていて、体が動かない状態。つまり、魚を脳死させる。
その上で、体温を下げるために潮氷につける。
氷水が血だらけになっても構わない。
鰺の話で恐縮だが、脳を刺せば良いらしい。
締め具も売ってはいるが、エラを切るためのハサミで魚の眼と眼の間を刺してクイッと捻る。
決まるとアジの口がパカッと開く。
体はピクピク動くが大暴れしないので体温上昇は抑えられる。
で、ようやくお題のパラコード。
安定して鰺が釣れると思っている能登島釣りセンターは、足元が金網というか、側溝の蓋の大きなやつみたいのになっていて、水がたまらないようになっている。
スマホくらいなら落とすと完全に海中に落ちていってしまう。
魚のトングならギリギリ隙間よりも幅があるので落ちないが、ハサミはアウトだ。
パラコードの両端にカラビナを付けて、片方をハサミの持ち手、もう片方をクーラーボックスの持ちてハンドルに取り付けた。
パラコードの長さは、釣りっぽく言うとひと尋ほど。
これで安心、魚も新鮮に持ち帰られる。