医療体制

コロナへの感染者に対する医療体制にはまだ余力があるので、緊急事態宣言はしない。
正論だ。
病床数に余裕がある状況で、都民の経済活動を抑止するようなことは言いたくない。
感染者の増加を抑えることはききのわるいブレーキで走っている満員電車を止めるようなものだ。
いざ止まろうと思っても、惰性で電車はしばらくのあいだ走っていく。
ブレーキのききのわるい電車を早く止めるためには、満員電車に乗っている人に電車から降りてもらうしかない。
そうしないと、電車内の感染者は増え続けた挙げ句に、停車駅を超えて壁にぶつかってしまう。
電車内の感染者は治療されず、都民を守る壁である医療体制も崩壊してしまう。
満員電車をおりた都民は、そこから動かずにいてくださいと言われても、誰も水も食料も持っていないし、配給される目処もない。
仕方がないので、歩き続けて感染者を増やし続ける。
この物語の結末の1つとして考えられるのは、全員が感染して抗体ができ、ウイルス自体の驚異が無くなるということだ。
そこに辿り着くのが何人にひとりなのかは運次第といったところか。
電車を止めたところで、電車を使わずに歩き続ける人が増えることは確実で、感染者の出方は前回の時と同じにならないことも考えられる。
吉田拓郎の歌ではないが、古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう。
残酷な選択を迫るが、若い水夫がどうしたいのか、そのことが重要だと思うのだが。