許容され続ける円安

為替市場での円安は一体どこまで進むのだろうか。
円安が進んで最も悪影響があるのは、資源を持たない国である日本の国民消費だ。
食料、燃料いずれも輸入しなければ生命維持すら不可能であるにも関わらず、円安を止めることを政府はやらないだろう。
物価が上がれば、政府にとっては消費税の収入が増える。
また、円安により輸出関連企業からの税収については、利益の増加に加えて為替による差益までもが作用して過去最高の税収を記録し続ける。
円安により、株価も上がり見せかけの好景気が日本経済に訪れているかのように感じさせられている。
株価が上るイコール、景気が上昇することではない。
世界の情勢が不安定になると、金の価格が上るのと同じくらい、日本の株価は危うい可能性は十分にある。
日中関係の悪化でインバウンド問題が解決するとか、中国国民はもはや中国国家の言いなりではないので訪日が若干冷え込んでも問題ない。
むしろ、日本との国交を弱めることがどれだけ中国にとってマイナスなのかなどと、気休めにもならないことを言うマスコミなどクソだ。
もう少しすると、国民の金融資産は外貨建の債券や外国株へと大がかりなシフトを始める可能性が高い。
そうなれば、国民はむしろ円安をさらに求めることになる。
円の国際的な価値が下がれば下がるほど、金融資産価値が高まるからだ。
たが、そんな事態は一時的な気休めに過ぎない。
例えば、160万円で購入した1万ドルの外国株がその国の株価としては1万ドルのままで、5年後に売却して200万円になったとすると、日本円だての税抜き後利益はおよそ32万円になる。
円ベースでは20%の利益が得られたことになるが、日本国内の物価上昇率が3%だったら、5年前からは16%ほど物価が上がったことになるので、5年間の実質利益は年率換算で0.8%しかない。
年利0.8%で生活の足しにするには、一体どれだけの投資が必要になるのだろう。
こんな国の債券を海外投資家はまともな考え方では買うわけがないが、日本自体をM&Aして切り売りしようとするビッグディールが仕掛けられたらどうなるか。
国家の財政破綻危機に及んでも、どこかの誰かが救ってくれると高を括り市場原理に従うと言いかねない政治家や官僚もいるに違いない。
もっとも、そこまでの金融危機になった時点で米国が日本を救うわけなどなく、日本の優良企業が身売りせざるを得ない状況になったら米国が身請けするしかないようにするだけだろう。
スキムドミルクを食うのは、果たして米国か中国か、はたまた別の国か。
日本の電機メーカーは中国のスキムドミルクになったわけだけど、自動車、種子産業となると、米国も喉から手が出るほどに欲しがる。