5年後、10年後にIT人材が不足するという。
この業界に身を置く立場からだと、年齢的には有難い話だとも言えるし、迷惑な話だとも言える。
老後の年金に不安があるという点では、10年後にも仕事がありそうなのは嬉しいことだが、有象無象のIT人材が多いことは紛れもない事実。
そんな有象無象の指示で作業を行うことになったとしたらそれはシステム発注者にとって迷惑以外の何ものでもない。
大手IT会社の仕事を受けていると、正直なところ小さなIT企業では適切な設計書を書ける人材がほとんどいないのではないかと感じる。
アジャイルな開発では設計書なんて書かないのだから、設計書を書くスキルは不要なんだと考えるエンジニアもいるだろう。
じゃあ、アジャイル開発したシステムが安定稼働して5年後にエンハンスしようとする。
ソースコードを解析して影響箇所を洗い出し、修正を行うのだろうか?
そんなもの、まともに動くわけがない。
アジャイル開発がコスト低減に役に立つのは、設計書を作成する工数を削るからというのが、ひとつ。
もう一つは、小さな開発規模では不具合の混入する確率が下がるから。
解っていながら、設計書を整備するコストは削られているのではないか。
基本設計書があり、機能設計書があり、詳細設計書でコードと機能の紐付けを記載する。
そんな設計書に最近はお目にかかったことがない。
つまり、バイネーム、人に依存した開発がまかり通っているのだから、富士通のマイナシステムで、過去の人が作ったシステムを過去のひとにボランティアで対応してほしいなどというアホみたいな意見が出るのだ。
その非常識さには呆れる限りだが、日本最大とも言えるITベンダーであっても、やっていることは先を見据えてはいないということなのかもしれない。