結果論が正義か

先見の明というか、人には見通しの距離感の違いがある。
例えば、将棋で10手先までしか読めない人は15手先が読める人の手は自力では絶対に理解できない。
だが、15手先まで読める人が10手先まで読める人に11手目の説明をすると、10手先までしか読めない人はあたかも自分がもう少し考えればその答えに辿り着いたと勘違いする人が多い。
なので、結局のところ結果論で語る人が高確率で支持をえるということは大昔からの真理だと思っている。
15手先まで読める人は10手先しか読めない人から搾取したとしても、10手先しか読めない人にとっては搾取されていることにすら気付くことは無いのだろうなと、1手先すら読めない私は考えるのだ。

日本の金利上昇

日本の政策金利が引き上げられる。
0.25%との発表を受けて、円高に大きく傾いた。
この利上げがそれほど大きなインパクトがあるのか。
米国の金利に比べれば、まだまだ低いので外貨への投資としての魅力は低いはずなのに何故ここまで為替が反応したのか。
このタイミングで世界株安により、ブラックマンデー以来の下げ幅となった。
ネットニュースでは新NISA利用者の資産が激減したと煽っている記事、騒ぐ必要などないとする記事。
日銀の植田総裁の方針に異を唱える声もある。
政府の言いなりだという人もいる。
中央銀行の在り方は政策に沿うものでなければ意味が無いのは当たり前。
文句を言うなら岸田政権に言うべきであり、日銀総裁に文句を言うのは筋違いだと思う。
政府の意向、政策が官僚から実務政策として提示されるのだが、愚の愚の政策は何故生まれてしまうのか。
果たして政権交代くらいで事態は好転するのか。
最適手でなくても最善手くらいは打てないものか。

南海トラフ

8/8の夕方に宮崎県日向灘沖を震源とする大きな地震があった。
4月に四国沖が震源の地震があり、こちらも南海トラフの震源域であり、今年になって2度も南海トラフ域での大きな地震があったことになる。
首都圏での大型地震が発生していないことや、大地震あるある詐欺みたいなことが続いていたので、危機感が高まっていないかも知れない。
人は信じたくない未来は信じない。
さらにほとんどが地方出身者である東京都民にすれば、最悪でも故郷に帰ればと考える人も多いのかも知れないが、そんな甘い話ではない。

人口ピラミッド

人口は若年層が多く、高齢者になるほど少なくなる構成が理想とされるピラミッド状の人口分布。
団塊世代とそのジュニア世代が亡くなる40年後には高齢者層人口が減るので、人口ピラミッドが改善される。
なので今の若者たちは年金制度が崩壊して悲惨になるわけではなく、その過程の世代、年金受給開始直前世代が最も年金受給に関して厳しいと書かれた記事があった。
だが、実際の年齢別人口分布はそれらの世代より下であってもピラミッド型の分布にはなっていない。
結局、年金制度が各人の原資に応じた受給にならなければ、年金制度だけを見た場合に歪な制度であることに変わりはない。
しかし、ここで大きなジレンマが生まれる。
女性が出産等で年金原資を溜められない場合に受給に対して著しい不利益を生じるため、出産しないことを選択する女性が一定数増加するだろうことだ。
結局、原資を何かしらの方法で補完する仕組みが必要になる。
だが、原資に満たない受給しかない制度に参加する国民がどれだけいるのだろうか。

経済に対する責任論

日本の有権者はおめでたいので、相場の暴落や不景気が政治の責任であるとは考えない。
まやかしの経済浮揚にはありがたがって、あれ?そんなに生活は楽になってないのに景気はいいらしいぞ。もうすぐこちらにも恩恵が預かれるだろうと考える。
別の考え方をすれば、ダメな子に期待してないので成績が悪くても叱らないバカ親だと言える。
たまに、いい成績を取ってくるとベタ褒めになり、しかも良家に滅法弱い。
海外の有権者が正しいとは言えない部分もあるが、ここまでひどい失敗を繰り返したら、原因が政策にあろうがなかろうが、政権に対してNOを突きつける。
日本は明治維新以降、政治の主権が徳川幕府から薩長に移っただけで実態も政治のレベルも何ら変わってはいない。外国からは有権者であることを有効に使ったことのない民意度の低い国民だと考えられていないか心配だ。

未曾有の株価急落

先週末の下落と合わせて、3営業日で日経平均株価が7600円以上値下がりした。
40000円を超えて、更に強気の展開を語っていたのは証券会社筋のアナリストだったろうか。
株安は世界的動向だけど、日本の場合円高が重なっているので、40000円を支えていた輸出企業はさらに株安材料が重なっている。
だが、この暴落で儲けている投資家達も多い。
日本政府が円安対策で介入した為替操作の資金はほとんど海外投機筋に食われている。
そして今回は、日本株の暴落でカラ売りが浴びせ続けられる限り、平均株価の底は打たない。
多分、30000円が攻防線になり、暫くはこのラインを挟んで、良いように投機筋に喰い荒らされる。
日本株は喰い荒らされて、半年ほどかけて30000円後半まで値を戻すとは思う。
もっとも恐れるべきは、上げてしまった金利と、国債発行残高、税収の激減のトリプルパンチで日本がデフォルトと判断されることだ。
そうなると、日本はあらゆる輸入物資が入手困難となり、餓死者が出ることになりかねない。
日本で就労しようという海外労働者などいなくなり、あらゆる産業が維持できなくなる。

マクロ経済

日本の経済不況を脱出した立役者として、アベノミクスが上げられる。
今更だが、日経平均株価の低迷を脱したのは間違いなくアベノミクスという言葉のおかげだ。
日経平均株価はあくまでマクロ経済の指標であり、国民の経済力の上昇ではない。
結果、日本企業はグローバル化という言葉の下に、マクロ経済の向上のみを目指し、国内市場の購買力には見切りを付けている。
事実、これからも日本の国民は減り続け、希望のない国家で生まれる新たな世代は、今のところなんの武器も持たないまま、将来の芽を摘んでいく。
もはや、全国民が読み書き計算ができるだけで世界にアドバンテージを持つ時代ではないのに、殊更複雑な計算ができることに重きを置く教育か、かけ離れた才能という甘美な響きの産業に多くの若者の夢を向かわせている。
そんなもの、マクロ経済の前には何の価値も無いことを、誰も教えてはくれない。

労働生産性向上が伴わない賃上げ

主題の賃上げを悪い賃上げとするニュース記事を読んだ。
日本の政策で賃上げと物価上昇をセットで行おうとすることへの批判の意味が強いのだとは思うが、労働生産性向上が伴わない賃上げを認めないなら、物価がどれだけ上昇しても、生産性の向上、つまりgdpの向上に寄与しない労働対価についてはそれを上げることは認めるべきではないということになる。
そうなると、まずは公務員の賃上げは認められないし、輸入品の値上がりなども認められない。
需要と供給バランスによる価格変動は生産性とは全く連動しないのだから、値段の上がったモノは生産性が向上したもの、つまり供給過多になったものであるべきだということか。
だが、そんなアホな理屈がとおるほど、世界は甘くない。
人間の生産性向上など微々たるものでしかないので、仮にAIによる生産性向上が認められたとしても、それはAIを作った企業のごく一部の開発に携わった人の賃金が数千倍、数万倍になることのみが正義でそうでないものは悪となる。
そんな記事を書いた当人など、全く生産性向上には寄与していないわけだから駆け出しの頃の原稿料から一円たりとも引き上げられるべきではないことになる。
そんなことになったら、正規の経済活動は守るに値しなくなり、生産せずに奪うだけで良いと考えるヒトも増えるだろう。

OBD

バッテリー交換などで、電源の供給が切れると車のメモリーが消えてしまう。
最近の車だと、平均燃費とか時計とかがリセットされる。
他にも初期化されてしまう機能もあるのかもしれないが、目に見えるものはこのくらいか。
これを防ぐのがメモリーキーパーとかそんな名前で販売されている。
バッテリー端子から電源供給するのでなく、車内からアクセスできることの多いOBD端子から電源供給する。
メーカーによって端子配列が違うのかと心配したが、ODB2になって統一されている。
バッ直配線のためにバッテリー端子を外したが、バックアップ電源を供給しなかったので平均燃費と時計がリセットされたので思い出した。
セレナのときに購入したメモリーキーパーがあるので、今の車のバッテリー交換のときも使える。

ガス抜き

オリンピック開催期間中は民衆の関心は政治から少し遠ざかる。
政権への不満よりも自国選手たちの競技結果が気になる。
世界規模で意図的に為政者が民衆に娯楽を提供して、ガス抜きを図るわけだ。
出場したものが負けたからと言って、責めてはいけないことを理解している人が多数だろうが、それでも負けたことに対し戦犯を吊し上げようとする人は皆無ではない。
生活に不満が多ければ、そんな人たちが増える。
世界的な経済的地位が低下しつつある日本では、かつてのヒトラーを産み出したドイツ帝国のように土壌は熟成されているかもしれない。